10月の末から「My Destiny」のプロモーションのために来日していた彼等。
連日、雑誌のインタビューや撮影、ラジオ、 何軒かのレコード店まわり(ジェジュンに至っては、なんとか早く頑張ってみんなと一緒にステージに立ちたいという思いから、暇を見つけては病院でリハビリを受けていたのでありました)と、大忙しの毎日を送る中、日本活動用のレコーディング作業も行われていたのです。
レコーディングが行われていたのは11月の5日と6日。今回は初めてのレコーディングスタジオでの収録。しかし、そのスタジオには彼等の大好きなゲームや漫画がたくさん置いてあり、スタジオに入るやいなや、ゲームの対戦相手を決めるジャンケン大会が始まったのでした。
しかし、残念ながら今日のメインはレコーディング。まずトップバッタに歌うことになったジェジュンはゲームを諦め、ブースに入ったのでした。ゲームや漫画を前にするとすっかり子供に戻る5人なのだが、歌に関しては意識が高く、ブースに
一歩足を踏み入れると顔付きまでもが一瞬にして変わるのです。さすがはプロ。
今回はディレクターさんとエンジニアさんも初めてのスタッフとあって、最初は少し緊張ぎみだったのだが、日本語の発音の良さを誉められるほどの順調ぶりなジェジュンでありました。
と、一方、自分の順番を待つ4人はと言うと……。すっかりゲームと漫画に夢中。まず、ユンホとジュンスが格闘ゲームを始め、ユチョンは漫画に没頭。
「ユチョン、読めるの?」と聞くと、「ちょっとだけ(笑)。漢字がたまに分からないですから、そのときは教えて下さい!
」(ユチョン)と、途中何度も、「これは何て書いてあるの?」(ユチョン)と質問をされるのだが、漫画故に台詞調な言葉とあって、ストーリーによっては乱暴な言葉も多く、教えていいものなのかどうか迷う始末……。しかし、聞かれるままに、「“馬鹿野郎! 蘊蓄並べてんじゃねぇ、消え失せやがれ!”だよ……」と教えてはみるものの……、「ばかやろう? うんちく? ならべてんじゃねぇ?」(ユチョン)と、そのままユチョンに復唱されると……。罪悪感にかられ、「そんな乱暴な言葉は覚えなくていいよ」と言うと、「悪い言葉ですか? 良くないですね。やめましょ」(ユチョン)と、しっかりと理解していたユチョンでした。ユチョンに限らず、5人の最近の日本語の理解力は素晴らしくたけているのです。
日本に居る間5人は、周りのスタッフが話している言葉を必死で聞き取って覚えようとするため、近くにいるスタッフの口癖まですっかりマスターしてしまうのです。
そんなユチョンが最近覚えた口癖は、「○○でしょ」。“そうでしょ?”“食べるでしょ”“やるでしょ”“違うでしょ”などと、語尾になんでも“でしょ”を付けることを覚えてしまったのです。ジェジュンに至っては、これまた日本のスタッフの真似らしいのだが、「あぁ〜、いいねぇ〜」と、わざと叔父さんっぽい言い方をすることを覚え、それが口癖になっていたりするのです……。
かつてメンバー内で流行っていた「やっぱり」や「いい感じ〜」もスタッフの口癖だったのです。
どんなに些細なことでもすぐに吸収してしまう5人故に、最近の日本のスタッフ間では、“正しい日本語を話すように心掛けること”に最大の注意をはらっているのであります。正しい日本語って結構難しいんだなと、改めて気付かされるありさまです。
そして、ジェジュンの次に歌うことになっていたチャンミンは、自分のパートの日本語の発音をおさらいしています。全て平仮名でカナの打たれた歌詞を何度も何度も読み返しながら発音をスタッフに確認していくチャンミン。すると、ハッと、思い付いたように目を輝かせ、そんな自分用の歌詞カードを見せてくれたのでした。そこには、【チャンメンの、かし(歌詞)カード】と名前が書かれていたのです。“チャンメン”というのは、食いしん坊なチャンミンにスタッフが付けたあだ名。本人は、「ラーメン! チャンメン!」といたく気に入ったようすで、歌詞カードにも書いていたのでありました。
一方、ゲームに夢中になっていたジュンスとユンホも、自分の歌う順番の前にはゲームを切り上げ、しっかりと自分で自分をコントロールし、精神統一をはかり、歌うモードにキッチリと切換えていたのでした。
この日は、風邪ぎみだったユチョンのレコーディングを次の日にまわし、あとは順調にジェジュン、チャンミン、ジュ
ンス、ユンホのレコーディングが行われたのでした。
そして、夜、お待ちかねのご飯タイムでの出来事。
日本語の出前メニューを担当Sさんが見せると、5人は一目散に集まり、次々に注文していきます。注文したのは、ジェジュンがチキンカツ。ジュンスがカレー丼、チャンミンが肉豆腐定食。ユンホとユチョンがカツ丼。というメニューでした。
数分後、出前が届いて大騒ぎ。マネージャーさん達が頼んだ、ホッケの塩焼き定食と秋刀魚の塩焼き定食が美味しそうだったこともあって、「あぁ〜〜っ、ズルイです! 日本語がまだよく読めませんから、日本語メニューはズルイです! 美味しいモノがよく分からないです! ズルイです! 自分達ばっかり美味しいご飯はズルイですぅ!」(ジェジュン)と、ジェジュンが大興奮(笑)。
ジュンスはカレー丼があまり口に合わなかったようで、「ん〜〜(泣)。やっぱり日本のご飯はカツ丼が一番です……悲しいですぅ(泣)」(ジュンス)と残念そう。すると、ナント、隣に座っていたジェジュンがさりげなく、「交換してあげようか? ジュンス。はい」(ジェジュン)と自分のチキンカツを差し出したのでありました!
「ジェジュンさんっ! 優しいです! 感動です! 本当に凄く優しいです! びっくりです! 感動です! あぁ、好きです!」(ジュンス)とジェジュンの背中に抱きついて喜びを表現。そうとう嬉しかったようです。
そんなジェジュンの優しさに、ユンホとユチョンとチャンミンも、「これも食べていいよ」とジュンスとジェジュンに差し出してあげていたのでした。なんと素晴らしき友情。
この日、彼等の口に合ったのは、やはりお馴染みのカツ丼と肉豆腐だったようで、「一つ美味しいものを見つけました! “肉豆腐”!」とメンバー一同感激していました。一つ日本食のレパートリーが増えたようです。
次の日はユチョンの風邪も良くなり、全員のコーラスパートも無事録り終わり、夕方には落ち着いたスタジオで、この日、韓国のテレビ番組でデビューを飾った同じ事務所の友人でもあるグループの初ステージを、嬉しそうに何度も何度も見返していたのでした。苦楽を共にしてきた友人達のデビューとあって、日本のスタッフに一生懸命に彼等のことを説明し、「とてもイイ子達です! 僕達の友達です! 応援してあげて下さい! よろしくお願いします」と言っていた5人でした。 |
| Text:武市尚子 |
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